[ODFD#0006]支援と指導と支配

目的

支援と指導と支配の違いを理解する。よい支援者を見分けるための考え方を身に着け、職場における指導に対する向き合い方を考える。

対象読者

すべての障害者

著者/障害

なおぴょん/統合失調症

内容

障害者にとって必要なもの

多くの障害者は、自分をサポートしてくれる職員をつけていると思う。いわゆる支援者だ。しかし支援者とは名ばかりで、実際のところは指導や支配になっているケースも少なくない。本当によい支援者を見分ける方法を考えてみよう。

支援と指導と支配の違い

支援とは、対象者の意思決定を尊重し、その意思決定を達成するために、あらゆる手助けをするのが支援。指導とは、指導者が対象者に方向性を教え、その方向に向かって導く、支配とは、対象者の主導権を奪い、対象者をコントロールする。図でかけば以下の通り。

支援か指導か支配かの違いは、支援だけは対象者の意思が尊重されるということだ。少なくとも意思を尊重しないような支援者からは離れたほうがいい。

支配者を避ける

障害当事者にとって、いや、そうでない人にとっても支配者は厄介だ。そして、残念なことに、支配的な態度を取るような支援者も多い。こういう支援者をとにかく避けることが必要だ。特に精神疾患の人の場合、メンタルを著しく害され、壊される危険性が高い。支配的な支援者には何を言っても話が通じないので(そもそも障害当事者と対等と思っていないから、話を聞かない)とにかくかかわらないこと。

支配的な支援者から身を守る方法は、

  • 経済的に弱みを握られないようにすること。
  • 生きていくために最低限の経済性を確保すること。
  • そのために必要な情報を収集し、勉強すること。

それしかない。[ODFD#0002] - 就労移行支援事業所の使い方でも述べたが、そのためには自分自身が危機感と孤独感を持ち、成長のために必要な正しい方法を学ぶことが必要不可欠だ。

指導とどう向き合うか?

障害者でも一般企業で働く人が少なからずいると思う。しかし企業に入れば必ず指導がある。なぜかといえば、会社には方針があり、その方針に従業員は従わなければならないからだ。それが仮に障害当事者の意に反するものであってもだ。もしそこにどうしても従えないならその会社を退職するという選択しかできない。これは構造上どうしようもない。ということは指導に対して向き合い方を考える必要がある。

指導の向き合い方としては

  • 会社の方針を理解すること。
  • そのために必要な努力をすること。
  • それが自分の成長につながると信じること。

ぐらいかと思う。ある意味指導においては自我を捨てなければならないこともある。指導の特性として自分が持っている考えを打ち壊され、新しい考え方を身に着けていく。そこにはどうしても自己否定が伴う。それは確かに苦しいことだが、その苦しいプロセスを踏まないと一歩上の自分にはなれない。

実際に私も一般企業に入って多くの指導を受けたが、害になるというより、実際には自分が少しずつだが成長している実感を持てる。もちろん積極的に指導されたいとは思わないが、自分にとって必要なことだという認識はある。

これが指導と支配の違いだ。指導は必ず成長につなげることができるが、支配はただ害されていくだけだ。